記事一覧

保険会社の規制強化 金融庁・健全性指標に新算出法

アップロードファイル 202-1.jpg

 金融庁は28日、保険会社の財務の健全性を示す「保険金支払い余力比率」(ソルベンシーマージン比率)について算出方法を厳しくし、12年3月期決算から正式に採用することを決めた。主要生命保険会社では現在600~1200%の数値がほぼ半減する見通しだ。
 ソルベンシーマージン比率は200%以上の確保が求められているが、現在の算出方法では健全性の基準として不十分との批判があった。昨年10月に破綻(は・たん)した大和(やまと)生命保険は08年3月末には555%だったのに、わずか半年で26%に急落した。金融危機で証券化商品が暴落する危険性を適切に反映できていなかったからだ。
 このため新しい算出法では、証券化商品や金融派生商品について、損失発生の危険性を厳しく見積もる。価格が変動しやすい国内外の株式などを保有する危険性もより多く見積もる。いざという時に損失を吸収する「支払い余力」(マージン)についても、算入できる資金の種類を制限する。
 株など損失リスクが大きい金融商品の保有比率が生保に比べれば小さい損保でも、ソルベンシーマージン比率は3割程度減ると見込まれる。
 金融庁は見直しの骨子案について意見を聞いて、年末までに詳しい改正案をまとめる。11年3月期の決算から、参考指標として公表するよう保険会社に求める。12年3月期決算からは正式に採用し、200%の基準を下回った場合には、業務改善命令といった行政処分の対象とする。
 金融庁は「契約者の不安を招かないよう対応に十分な時間を設ける」としており、保険会社には健全性向上の取り組みを促していく方針だ。
 国内生保の比率は各社ごとにばらつきがある。比率の低い生保でも「健全性はまったく問題ない」(朝日生命保険)と、200%以上の確保には自信をみせる。
 だが、いっそう厳しい監督強化を目指す国際的な議論も進んでいる。格付投資情報センターの植村信保チーフアナリストも「今回の改定は、比率の信頼性を高めるための第一歩。上位生保の経営方針を変えるほどのインパクトはまだないが、金融危機で体力を失った生保ほど厳しい経営環境になっていくのは間違いない」とみる。業界内では「下位生保を中心に再編圧力が高まるのではないか」(大手生保)との見方も出ている。(多田敏男、志村亮)

 【ソルベンシーマージン比率】保険金の支払い余力(マージン)が、損失が発生する危険性(リスク)に比べてどの程度あるのかを示す数字。金融危機における運用損や大規模な災害といった予想外のリスクの総額が「分母」で、損失を吸収する自己資本や準備金が「分子」となる。値が大きいほど健全性が高く、200%を下回ると金融庁の行政処分の対象となる。比率を高めるには株式の売却などで分母のリスクを減らすか、資本増強などで分子のマージンを増やす必要がある。

  • 2009年08月29日(土)06時11分

アリコの顧客カード情報流出、不正利用照会2700件に

アップロードファイル 201-1.jpg

 米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)傘下の生命保険会社アリコジャパン(東京)の顧客のクレジットカード情報が流出した問題を巡り、同社への不正利用に関するカード会社からの照会が、27日の前回発表時に比べ500件増え、約2700件(29日時点)に達したことがわかった。

 ジェーシービーや三菱UFJニコスなど21のカード会社では、情報が流出した可能性があるアリコの契約者については、カードを無料で再発行するなどの対応を進めている。

 アリコは27日、クレジットカード番号などの顧客情報が約13万件流出した可能性があると発表した。同社は現在、流出した経緯について、内部からの持ち出しと、外部からの不正アクセスの両面で調べている。

NIKKEI-net

  • 2009年07月31日(金)05時20分